お役立ちコラムCOLUMN
ホイールアライメントについて学ぼう
タイヤは車にとって、走行性能や乗り心地、運転のしやすさに関わる重要なパーツです。
もし車の直進性が良くない、いつもハンドルが左右いずれかに取られる、タイヤが変摩耗している、などの現象が現れたらホイールアライメントの調整が必要かもしれません。
ホイールアライメントとは何か、どのように調整するのか、お話ししましょう。
ホイールアライメントって何?
車の4つのタイヤは、車体に対してすべてが平行に組み込まれているわけではなく、それぞれほんの少し角度が付いて取り付けられています。
それは4つの車軸に、それぞれ角度と位置を調整する機構があり、その角度を適切に調整することをホイールアライメントと呼んでいます。
ホイールアライメントの調整により、クルマの直進性と、コーナリングの特性など走行性に影響します。
ホイールアライメントは何の役に立つか
ホイールアライメントの調整には3つの調整があり、トー、キャンバー、キャスターといい、それぞれ大事な役割を持っています
トー
車を上から見た時に、左右のホイールが車の進行方向に向かってハの字型もしくは逆ハの字型に角度調整することをトー角調整と呼びます。
進行方向が狭くなる調整をトーイン、逆ハの字になっている状態をトーアウトと呼びます。
一般的にトーイン状態では直進安定性が増し、トーアウトではハンドリングに対するフィーリングが良くなります。
キャンバー
車を前後から見た時に、タイヤが地面に対してハの字、もしくは逆ハの字に見える角度をキャンバー角と呼び、コーナリングの特性に大きく影響します。
一般的に下側が開いているハの字(ネガティブキャンバー)に調整されている車が多いですが、特殊な用途の車両では逆ハの字(ポジティブキャンバー)に調整されていることがあります。
キャスター
キングピン軸(ハンドルを切った時にタイヤが向きを変える回転中心)の進行方向に対する角度です。
車を横から見た時に後ろへ傾いています。
オートバイの前輪を保持するフロントフォークを想像するとわかりやすいと思いますが、同様にキングピン軸が斜めについています。
その斜めの度合いをキャスター角といい、この角度が直進安定性に影響します。
ホイールアライメントが変わったらどうなる?
通常走行している限り、ホイールアライメントの調整はほとんど必要ありません。
ただし、大きな段差や悪路を高速で通過した、または事故等でサスペンションが大きな衝撃を受けた場合に、アライメントが変わってしまうことがあります。
その場合には直進性が悪くなった、まっすぐ走らない、クルマが左右にふらつく、タイヤが変摩耗しているなどの症状が現れます。
また、タイヤのサイズやホイールをインチアップした場合、サスペンションを交換した場合、車高を調整した時にはアライメント調整が必要になります。
トー
トー角は左右対称となるのが基本ですが、4つあるホイールの一か所でもトー角が変化するとまっすぐ走らなくなります。
例えば右後ろのタイヤのトー角だけがトーアウトとなった場合、直進時でもクルマは左へ向きを変えようとします。
また、極端な場合ではタイヤの変摩耗(フェザーエッジ摩耗)が発生します。
キャンバー
キャンバー角も左右対称が基本ですが、変化が生じると、まっすぐ走らないなどハンドリングへの影響だけでなく、タイヤの接地面が変わることにより、グリップ力の変化や乗り心地の変化、そしてタイヤの内側もしくは外側だけが摩耗すると言った症状が現れます。
キャスター
キャスター角は進行方向に対して後ろに傾いているのが基本ですが、角度が小さくなる(直立に近くなる)と直進性が弱まり、走行中にハンドルの細かい調整が必要となります。
また逆にキャスター角が大きくなるとハンドルの切り角に対しての反応が鈍くなります。
ホイールアライメントを調整するには
ホイールアライメントの調整にはトー、キャンバー、キャスター角共にほんの少しの角度の違いが大きく走行の安定に影響します。
また、左右のホイールの角度を対称にしなければならず、ホイールの角度を正確に測定できる専用の機材が必要です。
それらは高額で操作も難しいため、アライメント調整は業者に任せましょう。
ほとんどの自動車修理工場や、カーメンテナンスショップ、タイヤ販売店などに設備があります。
そこでは直進性を良くしたい、ハンドリングを良くしたいなど自分の好みを考慮したセッティングも可能です。
ただし、ホイールアライメント調整は上記したように3つの角度を細かく測定しながら作業を進めるために時間がかかります。
装置の使用可能な時間帯や作業者のスケジュール管理のため、必ず事前に予約を入れて依頼しましょう。
まとめ
車の走行性は、ホイールアライメントの状態によって大きく変わります。
ハンドリングや走行性に違和感を覚えたらホイールアライメントをチェックしてみましょう。
もしかすると本来の状態からずれていて、それが違和感の原因かもしれません。
信頼できる業者へ依頼することをお勧めします。